仮想通貨時代の銀行Bankera、Changeについて調べました
本稿の内容
- 仮想通貨時代の銀行とは
- Bankeraとは
- Changeとは
- まとめ
はじめまして
先日から仮想通貨での投資を始めた新参者です。
最初はBTC/JPYの取引で一喜一憂していましたが、どうもアルトコインの方が値動きがあることに惹かれ、次第にCoincheck上のアルトコインの売買にも興味を持ち、Bittrexでの取引を始めました。
しかしそれでも満足できず、ついには草コイン(マイナーで値が低い通貨)やICOに興味を持ち、ICO情報を漁りはじめ、仮想通貨の世界に引きづりこまれていきました。
そして、ICOが迫ったBankeraとChange Bankに無限の可能性を感じたので、今回はこの二つを取り上げたいと思います。どの部分が特徴的で、両者の差別化要因は何なのかについて見ていきます。
この両者の主な特徴、ICO参加のメリットは他のブログで referralやアフィリエイトの養分にするために熱心に 丁寧に紹介されているのでそちらを参考にしてください。ICO参加のメリットを簡単に言えば、トークンを所持すると配当を受けられるという点です。
仮想通貨時代の銀行とは
「仮想通貨時代の銀行」と初めて聞いたとき、「仮想通貨に銀行なんている?」と思っていました。すみません。
なにができるのか?
効率的に運営し、中間組織を省くことで、現行の銀行のマージンを大幅に減らせるのが魅力です。基本的な機能は以下の3つ。
支払
例:デビットカード等によるオンライン、オフラインでの決済。オンラインでの決済はもちろんのこと、店頭でも支払いができるということですね。
海外旅行を例に挙げると、出国前に通貨の両替の必要がないのですごく便利です。
これが普及すれば現金を持ち歩く必要がなくなるので、さっさと普及しろ。
預金
簡単に言えば、今あるウォレットが統合されて包括的で外部連携性が高いウォレットができる感じ。ものによっては金利が発生します。
投資
取引所でアルトコインを買うような感覚で多様な投資先に手軽に投資できるようになります。
現行のサービス
現行のサービス(ICO段階のものも含む) については、こちらの比較表を見るとわかりやすいと思います。
引用元の記事はこちら。
ただし、こちらの表もひとつの意見であって、違うなと思う部分もあるので参考程度に留めてくださいね。例えば「Bankeraにもservices marketplaceはあるのでは…」など。
先ほどの表を詳しくレビューした動画がこちらになりますので、こちらもご覧いただければと思います。
Bankeraとは
Bankeraは「ブロックチェーン時代の銀行」を謳っており、既存の体制と仮想通貨側の新体制を結ぶプラットフォームとして発展していきそうなプロジェクトです。
特徴
Bankeraの主な機能はこちら。
ホワイトペーパーで注目した点は以下の部分です。
バンクエラは今日におけるお金の傾向を三つ特定しています。
ー、現金は特に途上国において依然として主流なお金のかたちであり、それは今後10 年以内には変化しない。
二、電子マネーとデジタルマネーの人気が広まっている。
三、近い将来、技術の発展がさらなる新しいタイプのお金の開発と需要をもたらすかもしれない。バンクエラはいまだ現金が主流の支払方法であるということを理解した上で、キャッシュマーケットでも積極的に事業を続けていきます。しかし、バンクエラは銀行のようにレンガとしっくいの店舗を所持しません。
仮想通貨界隈の他の銀行系のサービスは非中央集権色が強く、脱現金化を目指す動きをしていますが、Bankeraは現金の重要性、既存の体制の持続性を理解したうえでサービスを開発しており、ビジョンの違いが伺えます。
また、Bankeraの最大の特徴は、本当に「銀行」になるという点です。
ICO の後バンクエラは EU 内で銀行ライセンスを取得することで支払カードの発行銀行になり、いずれは米国、英国、日本、中国、シンガポールなどの主要管轄区域でもライセンスを取得します。
金利付きの預金サービスを行うのは他の銀行系サービスとの違いであり、現金の引き出しが可能であるという点は先述した現金の強さへの理解の表れです。
Bankeraのアドバイサーの中には欧州議会議員が2名おり、RedditではCEOのVytautas Karalevičius氏が欧州議会のHQでの会議に参加している写真をアップするなど、欧州議会との強いコネクションが見て取れます。また、最近人気が出ているネム(XEM)の財団の代表ロン・ウォン氏もアドバイザーを務めている点も要注目ですね。
感想
ヨーロッパを起点に高い政治力を活かしてサービスを発展させていき、銀行のライセンスを軸に現金派の仮想通貨への窓口としても機能しそうだなぁと感じました。「既存の銀行と対等に渡り合えるようなきちんとした組織ですよ」というアピールは、あとから参入する仮想通貨に対してネガティブな人や、老人など理解が乏しい人に対して非常に有効だと思います。
我々のようなアーリーアダプターだけで世界が構成されているわけではなく、新しい技術やそれが生み出す世界に疑念を持つ人も一定数いるわけです。なので、アーリーアダプター以外の人たちにどう評価されるかというのは重要な視点だと思います。こういうサービスは現体制からの脱却に重きを置くのが常ですが、現体制との調和をうまく図ろうとするBankeraは確実に伸びるだろうなと感じました。
Change
Changeは「世界初の非中央集権的な仮想通貨の銀行」を目指しており、先述のBankeraとは少し毛色が違うように思います。Changeはロゴやデザイン、機能の構想を含めてすべてがスッキリしておりシンプルでわかりやすいものを作ろうという姿勢が一貫して伺えます。
特徴
主な機能は以下の通り。
グローバル・オンボーディング
Changeはトークン化されたKYC共有情報を介して他第三者サービス・プロバイダとのユーザー取引を自動的に認証します。
ユニバーサル・クリプト・ウォレット
Changeのアプリケーションは、主要な仮想通貨の保管、クリプト・ポートフォリオの簡単な管理、メンバー間の資金の簡単な移転、他多数の機能を容易にします。
カードでの支払い
仮想通貨での購入はドル、ユーロ、または円で買うのと同じように簡単であるべきです。世界中の何百万ものオンラインおよびオフラインの売り場で仮想通貨を使用できるChangeカードでこの問題は解決します。
キャッシュバッグ
Uユーザーには、Changeカードと他第三者のサービス(オンラインまたはオフライン)のプラットフォームでの使用で、Change銀行の旗艦通貨であるChangeコインの形式で取引額の一部が払い戻されます。
そして機能面での最大の注目点はマーケットプレイスが実装されることです。
マーケットプレイス
私たちの構想は、仮想通貨での支払いだけではありません。株式、P2Pローン、不動産、想像できうるもの全てに仮想通貨で投資できる時代がきました。旅行⾃自動車保険を直ちにEtherで購入、またはBitcoinでローンを受ける時代がきました。
私たちはデータの分権だけでなく、分権されたサービスの力も信じています。私たちの、全てが詰まった⾦金融サービス・プラットフォーム構想は、地理的な境界線に縛られません。今日の技術と規則により、われわれは主要なフィンテック商品を届ける分権型の第三者マーケットプレイスを創り出すことができます。誰でも、そしてどこからでも、提供される最適なサービスを受けることができます。
それではホワイトペーパーでを見ていきましょう。
本編の一ページ目からBankeraとの違いを感じます。
Changeは財政的に意欲的な個⼈のための新しい時代のファイナンス構想です。既存の銀⾏運営に不満な、将来を⾒据えた若い男女のためにつくられたものです
Changeが注目される一番の理由は、e-Residencyとの提携でしょう。
私たちの構想と計画の強固な認証として、Changeは世界で最も先進的なデジタル社会、エストニア政府創始のe-Residencyと提携しました。この意欲的なプロジェクトは、ティム・ドレイパー(Tim Draper)とエドワード・ルーカス(Edward Lucas)を含むグローバルなノマドとアナーキストの間で尊敬を集めています。
(中略)
簡潔に⾔うと、e-ResidencyはEUでのデジタルアイデンティティを提供してくれます。つまり、EUの近くにいなくても会社の設⽴、銀行⼝座の開設、税金の申告、書類への署名などができるということです。グローバルなノマドに焦点を当てることにより、e-Residencyでは何度もオンボード(KYC)の必要なしに、ユーザーがデジタルでサービスを使⽤できるようになります。これらの共有価値が、Changeとe-Residencyの間のパートナーシップの基礎を形成します。
e-Residencyについてはこちらの記事を参考にしてください。
エストニアはe-Residencyを導入している時点で非常に先進的ですが、更に今後独自のトークンEstcoinのICOを予定しているなど、盛り上がりのある国です。
Estcoinが発行されe-Residencyが発展し、もしも世界中の有能な企業家、スタートアップ企業がエストニアに集中していけば、提携しているChangeも相乗効果で伸びていくのではないかと期待しています。EstcoinのICOにも要注目ですね。
マーケットプレイスについて少し見ていきましょう。イメージ図はこちら。
様々な企業がChangeのプラットフォームを利用することで、仲介業者や地理的な制約の排除が可能になります。投資に参加したい人も様々な通貨をChangeトークンに替えることで、簡単に分割投資を行うことが可能です。
Changeのマーケットプレイスで惹かれたのは、コミュニティーとのミーティングの中で要望が強かったOpen APIを導入し、マーケットプレイスへの参加を容易にしているところです。上述の表にあるPolybiusがマーケットプレイスでの競合になりますが、Changeの方が早くローンチしそうな点、すでに金融大国シンガポールのフィンテック企業との連携がある点から、プラットフォームとしての成長に期待が持てます。
感想
統一されたコンセプト、洗練されたデザイン、高い機能性や将来の成長性から買うしかないと思いました。なんというか、最近のICOの中で一番クールな感じがします。COMSAなんて比べ物にならないでしょ。というか日本の人たちCOMSAに群がりすぎでは?
両者の比較
最後に両者の特徴をまとめておきます。
Bankera
・現体制と新体制との調和を図る
→現金至上主義の界隈にも配慮がなされた設計
・高い政治力とコネクションを持つ
・ライセンスを重要視し、正当性のある銀行として成長していく
Change
・非中央集権色が強い(独立化・分権化志向)
・仮想通貨銀行として世界初のサービス開始?
・e-Residencyとの提携、Open APIのマーケットプレイスによる高い成長性
サービスとして伸びていきそうなのはChange(Google、テスラのようなイメージ)、安心して受け入れられ、支持を集めていきそうなのはBankera(少し前のトヨタのようなイメージ)だと思いました。
ちなみにBankeraは現在Pre ICO中で、今後も2回ICOが予定されています。
Changeも現在Pre ICO中では9/16にICOが予定されています。
興味のある方は是非参加してみてください。